漆芸修復師で、NPO法人ROLEの代表を務めております清川広樹です。
私は45年以上、社寺仏閣、古美術、調度品の修復に携わってきました。
長い経験の中で私が学んだことは、私の仕事は多くの職人さんの手仕事に支えられているということです。
例えば私が愛用する筆は、京都は大原の筆職人が丹精込めてつくったものです。筆先は野生のイタチやたぬきの毛でつくりますが、これを手に入れるには猟師の存在がなくてはならず、彼らから天然の皮を預かった職人が体毛を揃えて筆職人に納めます。筆職人が毛先を整える薄い鉄の櫛は、100年以上前の鍛冶屋が仕上げたもので、今は同じものをつくれる職人はいないそうです。
私が修復の際、漆を塗るひと筆だけをとっても、多くの職人が様々な役割で関わっていることがわかります。
ROLEは伝統工芸を支える職人技術と職人文化を見直し、今一度世に知らしめ未来に承継するという思いから生まれました。
昔ながらのものづくりは大量生産、大量消費の中で存在が消えつつあります。
これは日本だけに限ったことではないでしょう。
一方で、先端技術に関わる人たちの中で、古来より伝わる職人技術にあこがれと興味を持っている人も多いと聞いています。ならば、先端と伝統が別々に存在するのではなく、共生し協力して遺産を未来に繫ぐことが大事なのではないでしょうか。
ROLEの活動は、先端技術との共存を目指し、職人文化の復興と承継のきっかけをつくことです。
一人でも多くの方が、私たちの考えに共鳴していただき、活動に手を貸して下さることを私は願ってやみません。
Hiro Kiyokawa
代表理事
漆芸修復師
メディア紹介
【TV】
・イギリスBBC Reel 2020年8月
・TV東京
2020年10月19日放映「Youは何しに日本へ?」
2018年8月20日放映「世界!ニッポン行きたい人応援団」
2020年8月19日放映「ビデオレター」
・MBS 2021年12月放送予定 ハンサムゼミ
【ラジオ】
・KYOTO FM 87.0 2021年4月~ 月1回
【雑誌・月刊誌・新聞】
・京都新聞 2015年12月23日、2016年12月19日
・朝日小学生新聞 2019年5月8日
・淡交社「茶道具のつくろい」 2019年10月
・株式会社ウエッジ「ひととき」 2019年2月
・ぎょうせい「ガバナンス」 2020年9月
・日本橋三越「お帳場通信」 2020年春夏号
・野村証券「wrap-i 包」 2020年1月号
他、多数
ロゴマークに込めた想い
− 5つのマチエール −
金継ぎの5つの素材~マチエール~を金色、黒色、弁柄色に樹の緑、水の青を加えた5色で現しました。
5つの素材それぞれが、重要なROLE(役割)を持っています。
ロゴのシルエットはJapanのJを象ったものですが、絶え間なく流れる水の飛沫もイメージしています。
職人文化が水の流れのように連綿と未来に継がれるように願ってデザインしました。